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人物図鑑

ぽかぽか保育園豊田園 看護師

宮崎(みやざき)先生

 優しい看護師さんの姿と、元気いっぱいのズンビニ講師の姿。宮﨑先生はいつでもポジティブに物事を捉えて挑戦していきます。そんな宮﨑先生の明るい笑い声は、子どもたちもスタッフも、みんなの気持ちを明るくピカピカにしてくれます。前向きに挑戦してきたお話を伺って元気をいただきました。
Q ぽかぽか保育園で勤務する以前はどんなお仕事をしていましたか
 それまでは病院の精神科に勤務していて、アルコールとか薬物依存、摂食障害や過食拒食などの人たちの支援をしてきました。なぜ自分の身体を苦しめる依存症になってしまうのか、患者さんたちと話をしながら原因を探っていくと、多くの場合、子どものころの話に行きつくんです。愛着形成に問題がある場合もあったり、あるいは親子関係は問題ないのに自分自身の中で納得できなかったり拒否していたり。そういったことがきっかけになって、子どものころにいじめを受けた人もすごく多いんです。「うまくいかない現実の世界」を受け入れられずに食べてしまう、飲んでしまう…そういう患者さんをたくさん見てきました。 支援をしてきた中で感じたことは、もしかすると子どもの時に早く誰かが気がついて何かできれば、みんながいじめられて苦しかった時期もなくなったかもしれないし、気持ちを切り替えたり行動を変えたら楽に生きられるってことをもっとうまく身につけられたんじゃないかということでした。 それで、子どもたちになにかお手伝いできることがあったらいいなという思いで保育園に転職しました。
Q 保育園の看護師として心がけていることはなんですか
 
 保育園には医療機器もないしドクターもいないけど、だからこそ、朝「おはようございます」と登園してきた時から、お子さんたちの体調や気持ちの状態がいつもと違わないか気をつけてみています。歩いている様子とか、おなかの調子とか、表情はどうかな、ちょっと様子がおかしいんじゃないかなと察知することが大事だと思います。 体調もそうですが、子どもなのでやっぱり心もですね。親御さんに遠慮して、なにか我慢していてイライラしちゃったりしてることもありますよね。親御さんの前では出さないけど、実はすごく寂しい思いをしてたりとか。そういうことは自分ひとりでなく、他の看護師さんや保育士さんにも相談します。保育士さんのプロの目から見てどう思う?という相談をして、場合によっては「ちょっとお母さんに聞いてみようか」とか、「今日1日はまずこんな風に過ごすようにしてみたらちょっと変わるかな」などと話し合っています。 大人が気がついてあげないと変えられないから、そのためにも自分ももっと勉強していく必要があると思っています。
Q 病児保育に来るお子さんにはどのように接していますか
 私も働きながら5人の子どもを育ててきたので、子どもが体調不良のときに預かってもらえるありがたさはよくわかります。本当は具合が悪い時には親御さんがそばにいられたら子どもも安心するし、おそらく回復も早いんです。でもそれができないから病児保育に来るわけですよね。だから病児保育のお子さんにはできるだけ、こんな感じで過ごせたらリラックスできるかな、楽しいかな、ということを考えながら接しています。病気だからこうしましょうではなくて、病気なんだけどいかに遊ぶかとか、今日は病児保育で大変だったねというよりも、いっぱいお昼寝して遊んで、なんだか楽しかったなって思って帰ってもらえたらいいなと思って取り組んでいます。
Q 子どもたちの”Zumbini”の先生でもありますが、そもそもZumbaの講師になったきっかけはなんですか
 ズンビニはラテン音楽をはじめ、さまざまな曲で踊るフィットネスダンス。ズンビニはそのズンバの子ども版です。講師をしていますが、私自身ズンバは50歳から始めたんですよ!はじめはダイエットのために週に1回通う程度でしたが、続けているうちに身体も軽くなってどんどん楽しくなって、3年ぐらい経ったときには週2~3回ズンバに行くのが習慣になっていました。あるとき講師の先生に「講師の資格を取らないの?」と聞かれたのですが、年齢のこともあって、どうしようかなと迷ったんです。そこで、『同じことを3人に聞かれたらやってみよう』と決めたんです。するとしばらくして「資格取った?」「取らないの?」と3人から聞かれて…これはもうやるしかない!と挑戦することにしました。 資格をとって1か月後に、たまたま知り合いの先生がケガでレッスンができなくなって代行レッスンをしたのをきっかけに、講師として活動を始めました。 前の職場で精神科の患者さんたちにズンバをやってみたらどうだろうと病院に働きかけて、はじめは月に1回からスタートしました。そして2週間に1回、1週間に1回とだんだん増やしていきました。 患者さんの中にはいままで気持ちがモヤモヤして、自分を責めてばかりで仕事も続かなくて入退院を繰り返してきた人もいたんです。でもズンバって気持ちの切り替えに良いみたいで、患者さんたちもだんだん楽しくなって、「ズンバのレッスンの日までこれを楽しみに頑張ろう」と思って仕事に行けたり学校に行けたり、そんな変化もありました。 ズンバでいろいろな方と知り合って、社会的な立場とか仕事とかみんな違うけれど、ズンバの日はみんなワーっと踊って楽しんで「これがあるから頑張れるよね」って言い合える。そういうところがとても自分に合っていて、私自身も楽しいし、こういう気持ちをみんなに伝えられたらなと思いながら保育園でも子どもたちと踊っています。
Q ズンバの資格もそうですが、一つ一つのポイントで前向きな方を選択されていますね
 基本的にやらないで後悔するより、やって失敗する方が良いと思っています。 もちろん失敗もたくさんしてきたけれど、「できないかも」と思ったら止めるんじゃなくて「どうやったらできるかな」と考えるようにしています。 仕事もそうですね。年齢とともに仕事の責任が増えてくるから、尻込みしそうになったりするけれど、自分の責任でできるから頑張れると思うんです。若い時になにかに挑戦してできた経験って、いまになって振り返ると、周りの方に助けられて「やらせてもらってた」んですね。いまは、自分で責任をもって、自分でできる。だから納得して頑張れるんです。
Q ぽかぽか保育園はどんな職場ですか
 ここは学びたい人に機会を与えてくれる職場なので、ぽかぽか保育園に来て良かったなと思っています。「こういう勉強をしたい」と伝えておくと「こんな講習会がありますよ。受講しますか」と言ってくれて、受講を希望するとシフトも考えてくれて勉強の機会を作ってもらえます。 いくつになっても学び続けることができるのは本当に有難いです。保育も医療も、昔の知識だけではダメですよね。特に子どもたちは私たちが育ってきた時代とは違う環境、社会で成長していくので、そこをちゃんと学んで動かないといけないなって思います。